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TVアニメ『スーパーカブ』声優とプロデューサーが制作秘話を語る!濃密なトークショーをレポート

TVアニメ『スーパーカブ』放送1周年記念トークショー会場

劇中に登場する「スーパーカブ」を忠実に再現

TVアニメ『スーパーカブ放送開始1周年を記念したイベントが、同作品の聖地となった山梨県北杜市で開催されたので、行ってきました。

このイベントを主催したのは、北杜アニメツーリズム協議会。会場は、三代校舎ふれあいの里 大正館。明治、大正、昭和に建てられた学校が並ぶ、北杜市の観光スポットです。

トークショーに登壇したのは、主人公・小熊役の夜道 雪さん、礼子役の七瀬 彩夏さん、プロデューサーの伊藤敦さん。印象的なトークについて、覚えている範囲で勝手にレポートします(記憶違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください)。

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北杜市の魅力について

桜と残雪の南アルプスとの競演

はじめに、上村英司北杜市長が呼びこまれ、北杜市の魅力についてのトークが展開。

上村さん「残雪の南アルプスと桜の競演が楽しめて、一番よい時期にお越しいただきました。北杜市の印象はいかがですか?」

夜道さん「もう北杜市にはプライベートで何度も訪れていて、大好きです」

七瀬さん「はじめて北杜市を訪れたので、見どころを教えてください。トークショーの前に歯磨きしたのですが、水がぜんぜん違っておいしかったです」

上村市長北杜市は日本のミネラルウォーターの3割を生産していて日本一なんです」

などというトークが繰り広げられた後、上村市長は降壇。

 

続いて、1話、4話、12話の約10分のダイジェストを見ながら、3人でトークセッションが行われました。

 

1話「ないないの女の子」について

会場に隣接する「おいしい学校」に展示されていた台本

会場に隣接する「おいしい学校」に展示されていた台本

伊藤P「もともとは劇場にかける予定でしたが、コロナ禍で上映が難しくなり、テレビ版12回になりました。それで、春夏秋冬、それぞれ3話ずつの構成になっています。冒頭の小熊の朝の支度のシーンはかなりの枚数を使っています。もともと日常生活のシーンは地味だけど枚数がかかるんですよ。ジャーのフタを閉める音なども、実際の音を収録しました」

夜道さん「はじめはセリフが少ないのですが、藤井俊郎 監督からとにかく『地声で』と要望されました。“演技しない芝居”が難しかったです。2話の収録の時、1話の最後のシーンを収録し直したりも……」

カブの音は、音声の倉橋さんの私物のカブで収録したそうです。

伊藤P「小熊の入浴シーンは、僕ががんばりました(ドヤ顔)。監督は出さない考えだったところを『原作通りに』と交渉し『じゃあ肩まで』ということに」

 

4話「アルバイト」について

伊藤P「レインウェアを買うシーンもリアルを追求しました。(値札が出てくるシーンで)なかなかに高価ですよね」

夜道さん「高校生の時からバイクに乗っていたので、北海道で同じような感じだったので、小熊と重なるところが多かったです。私もこういうアルバイトの話がきたらやったと思います。(北杜市から甲府市の間を)走っている時の景色は飽きないですから」

舞台に展示された小熊のスーパーカブ

舞台に展示された小熊のスーパーカブ

オイル交換のアングルは、監督のフェチが詰まっているとのこと。「ああいう人なんです」(伊藤P)

ちなみに、小熊のカブのナンバー「1519」は、TVアニメが放送された2021年が武田信玄生誕500年にあたるため、甲府を開いた1519年をナンバーにした、とも。

 

小熊の心情に合わせて画面のコントラストを変化させる演出について、「普通に作った画をトーンダウンし直しています。現場からは不満の声が多かったですけど……」(伊藤P)

 

4話のラストに登場する礼子の家のロケでは、蜂が多くて大変だったというエピソードを紹介。

この流れで5話に話がうつり、礼子が郵政カブで富士山を登るシーンについて、伊藤Pは「実際にハイエースでロケハンしたんです。残雪で座礁しました(苦笑)。また、山小屋に荷物を運ぶクローラーにも乗せてもらい8合目まで行ったのですが、ひとつ間違えば即転落。さながら遭難者の気分でした。あそこでスタッフが全滅していたら、アニメ化はなかったです」と、振り返りました。

とても寒い日だったとのことで、『今日は特別寒いです』と言われ、『なんで今日なのか』と思った、とも。

 

エンディングの楽曲は本編収録前に録音したそう。

七瀬さん「アニメの楽曲を歌うのは初めてだったので、うれしかったです」

夜道さん「まだキャラが固まる前だったので、難しかったです」

伊藤P「結果、合ってましたよね!」

 

12話「スーパーカブ」について

舞台に展示された礼子の郵政カブ

舞台に展示された礼子の郵政カブ

ここで、伊藤Pからオープニングの映像が、礼子の郵政カブ⇒ハンターカブに変わったことについて、現場からは「(ほとんどわからないのに)変える必要ある……?」と大ブーイングだったそう。

リアルを追求するため、カブの3Dモデルを作成。椎ちゃんのリトルカブも12話のラストシーンのためだけに作られました。が、引きとハンドルくらいなのに「わざわざ作成する必要があったのか……?」と、こちらも現場から疑問の声が上がったようです。

 

礼子がまっぱでカレーを食べるシーンについても、伊藤Pが「僕が『原作通りに』と、がんばりました」と、再び強調すると、拍手が沸き上がりました。

七瀬さん「はじめはクールなキャラだったけど、富士山を郵政カブで登った以降、ネジがはずれたように、だんだんはじけたキャラになっていったのが楽しかったです」

 

ラストのシーンに登場する、鹿児島・佐多岬にもロケハンに行ったという伊藤P。が、そこには桜はなく、ガジュマルの木しかなかった、と驚愕の事実が明かされました。

「監督に『桜咲いてないです』と電話したら『あるだろう』と言われたので『そうですね』と答えるしかなかった」(伊藤P)

ということで、あの美しいシーンが生まれました。

 

主人公たちが、山梨県から鹿児島県へ三泊四日でカブで行ったことについて、「三泊四日は無理! もう1日欲しい」と、ダイジェスト映像を見ながら伊藤Pが何回も言っていたのが印象的でした(笑)。

「さまざまな標識は間違えないようにと言われて気を遣いました。が、『宍道湖』を間違えていて直したんですけど……」(伊藤P)

 

来場者からの質問コーナー(一部)

Q:行ってみたい聖地は?

夜道さん「ほぼ行き尽くしたので……、七瀬さんと富士山の五合目に行ってみたいです」

七瀬さん「実は、夜道さんに五合目に行こうと誘われましたが、一般道すらまともに走行できないので……。初心者ということで、ヘルメットに初心者マーク貼ってます。家族が心配するので、全身プロテクターでガッチリと。まだハンターカブで北杜市に来たことがないので、スタンプラリーしながら巡りたいです。オープニングの最後のシーンと同じ場所で、同じアングルで撮りたいです!」

 

Q:バイク初心者なのですが、右カーブがうまく曲がれません。アドバイスをお願いします

七瀬さん「私も初心者なので、夜道さん、教えてください」

夜道さん「不安になると視線が下に向きがちになりますが、バイクを安全に走らせるには前を向いて先を読むことが大事です」

伊藤P「人生と同じですね」

夜道さん「バックできないですしね」(今日イチ拍手)

 

最後に、

伊藤P「Hondaさんの許可なしではアニメ化できなかった作品。いろいろご指導いただきました。Hondaさんありがとうございます。許可が下りなければ『自動二輪』『原動機付き自転車』など真面目に考えていました」

また2期について、原作は4月1日発売の8巻で完結となりましたが、アニメ化については未定だそうです。

「このトークショー、4、50名集まればいいと思っていたのですが、こんなにたくさん集まっていただき、ありがとうございました」と、伊藤Pが90分強のトークショーを締めくくりました。

作品に関するエピソードがたくさん聞くことができ、有意義な時間となりました。

 

4月9日~5月8日までスタンプラリーも開催中。くわしくは公式サイトでご確認ください。

JR韮崎駅でスタンプラリーシートを入手

JR韮崎駅でスタンプラリーシートを入手

www.city.hokuto.yamanashi.jp

©Tone Koken,hiro/ベアモータース

 

supercub-anime.com

sneakerbunko.jp

comic.webnewtype.com

 

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