パン好きならば知らない人はいないであろう、パリの有名パン店「VIRON(ヴィロン)」のバゲット。日本にも出店しており、「バゲットがとにかくおいしい!」と大人気です。
フランスのバゲットコンクールで栄冠に輝いたパン職人の多くが使う、VIRON社のバゲット専用の小麦粉「ラ・トラディショナル・フランセーズ」で、「一風堂」「ちばき屋」「ソラノイロ」「とら食堂」の店主がオリジナル麺を開発! 2018年12月1日(土)から店舗限定、数量限定で販売開始となります。
▲試食会に登壇した関係者の皆さん。左から「ソラノイロ」宮崎店主、「一風堂」河原店主、「ちばき屋」千葉店主、VIRON社アレクサンドル・ヴィロン社長、ル・スティル西川社長、新横浜ラーメン博物館 岩崎館長、通訳さん
フランス屈指の小麦粉を使ったラーメンとは、どんな味……? 新横浜ラーメン博物館の向かいにある「新横浜ラントラクト」で行われた試食会の様子をレポート!
※画像はすべて2018年11月21日に行われた試食会にて撮影。各店のラーメンは若干少なめの試食会サイズです。
<INDEX>
- 日仏友好160周年記念コラボ麺企画 PARIS RAMEN ZUZUTTO 2018とは
- ちばき屋「日仏コラボラーメン」
- ソラノイロ「日仏コラボ米粉ヌードル」
- とら食堂「日仏コラボ麺」
- 一風堂「白丸元味(オレガノ・ブラックペッパー麺使用)VIRON監修バゲット付」
日仏友好160周年記念コラボ麺企画 PARIS RAMEN ZUZUTTO 2018とは
この企画は「日仏友好160周年記念コラボ麺企画 PARIS RAMEN ZUZUTTO 2018」とネーミングされています。日本とフランスの外交関係樹立を可能にした、1858年10月9日の日仏修好通商条約調印から160周年を迎えることを記念し、フランス大使館の後援のもと開催されます。
今回の企画のきっかけとなったのは、経済産業省COOL JAPAN推進事業に採択され、2014年に食の都・パリで行われた「PARIS RAMEN WEEK ZUZUTTO」というイベント。日本が誇るラーメン文化はパリでも受け入れられ、連日行列ができるほどの盛況だったそうです。
そのイベントに参加したラーメン店のうちの4店舗が再集結し、「麺」にスポットを当て、フランス産小麦粉「ラ・トラディショナル・フランセーズ」を使った麺を使ったラーメンを考案しました。
今回は、日本国内で「VIRON」「CENTRE THE BAKERY(セントル ザ・ベーカリー)」を展開しているル・スティルの協力を得て、フランス産小麦粉「ラ・トラディショナル・フランセーズ」を調達しているとのことで、試食会には、VIRON社のアレクサンドル ヴィロン社長、ル・ステイル 西川隆博社長も登壇されました。
試食順に各店のラーメンを紹介します。
ちばき屋「日仏コラボラーメン」
店主の千葉憲二さんは日本料理店で腕を磨き、1992年に「ちばき屋」を開業。懐かしく、やさしい、あっさりとしていながらも、心に深い印象を残すラーメンを作り上げています。(個人的には、ちばき屋 横浜ポルタ店が閉店したのは残念)
ラ・トラディショナル・フランセーズ30%、岩手県産強力粉「ゆきちから」30%、主に東北地方で作られる小麦粉「ネバリゴシ」40%を配合した、太めの縮れ麺。「ラ・トラディショナル・フランセーズは香りが強く、主張の強い麺になったので、それに負けないよう、『ちばき屋』のスープを工夫しました」と、千葉さんは言います。
つるっとしていて、もちもちしたバゲットのような麺と、「和」の旨味が凝縮したスープ。丼の中で日仏コラボを表現したラーメンです。
価格:日仏コラボラーメン(1000円)※数量限定
場所:ちばき屋 葛西本店
提供期間:12月1日(土)~12月29日(土)
ソラノイロ「日仏コラボ米粉ヌードル」
2011年開業当時から、麺・スープ・トッピングのすべてに野菜を使ったヘルシーなラーメン「ベジソバ」が話題の「ソラノイロ」。ミシュランガイド東京で「ビブグルマン」にも選出されている超人気店です。
店主の宮崎千尋さんは「麺に日本をイメージした米粉を配合し、麺で日仏コラボを実現しました」と紹介。ラ・トラディショナル・フランセーズ30%、超強力粉「ゆめちから」30%、米粉40%という配合で、うち全粒粉を5%使用し、豊かな香りが感じられる平打ち麺となっています。
スープは「ベジソバ」と同様で、ニンジンをバターでグラッセし、それを野菜でとったスープ「ベジブロス」で割り、アサリを使った塩だれを加えたもの。香りづけにレンコン油をたらしてあります。
トッピングは、キャベツ、安納芋、水菜、ニンジン、押し麦、ゆず胡椒、マスカルポーネ。別々に食べ進めてもうまし、混ぜ合わせて食べてもうまし。ゆず胡椒とマスカルポーネで味変するまでもなく、最後までおいしく食べられます。
価格:日仏コラボ米粉ヌードル(1000円)※数量限定
場所:ソラノイロ 麹町本店
提供期間:12月1日(土)~12月28日(金)
とら食堂「日仏コラボ麺」
福島県のご当地ラーメン「白河ラーメン」の人気店「とら食堂」は、ラ・トラディショナル・フランセーズのみを使った生地を手打ちした、フランス産小麦粉100%の麺を使ったラーメンを提供。
「ラ・トラディショナル・フランセーズはグルテンが少なめで打ちやすく、そば粉に似ている」と店主の竹井和之さんはコメントしています。竹と綿棒を使い、手打ち手ごねで打った縮れ麺は、十割そばのようにぷつんと切れやすく、はしにかからないほどつるつる、弾力があり噛めば噛むほどに旨味が出てきます。この旨味、VIRONのバゲットのよう!
スープ、具材は「とら食堂」のものを使っています。麺(というか小麦粉)の違いがよくわかるラーメンです。
価格:日仏コラボ麺(1000円)※数量限定
場所:とら食堂 白河本店、福岡分店
提供期間:12月1日(土)~なくなり次第終了
URL:https://www.facebook.com/torashokudo
一風堂「白丸元味(オレガノ・ブラックペッパー麺使用)VIRON監修バゲット付」
2大看板メニューのひとつ「白丸元味」の豚骨スープを使い、日仏コラボラーメンを作り上げた一風堂。
麺は、ラ・トラディショナル・フランセーズ50%、超強力粉「ゆめちから」50%を配合。「日本とフランス、仲良く50/50ということで」と、一風堂の店主・河原成美さんは説明します。豚骨スープに合わせるには、フランス産小麦粉の特徴がでづらいと考え、麺にブラックペッパーとオレガノを混ぜ合わせてあるとのこと。
このラーメンには、VIRON監修のバゲット(50g)もついてきます。
このラーメンのヒントは、インスタントラーメンの生みの親・安藤百福氏がたどった「麺ロード」を自身もたどった経験から。中国・西安でハーブがたっぷり入った羊頭のスープにパンをひたして食べたときの印象が忘れられず、「ぜひ、パンをちぎってスープにひたして食べてください」と河原さん。
スパイシーな麺とはまた違い、バゲットの旨味・甘みが一層引き立ちます。麺とパンの両方で、フランス産小麦粉の味を堪能できるようになっています。
価格:白丸元味(オレガノ・ブラックペッパー麺使用)「VIRON」監修バゲット付(990円)※30食限定
場所:一風堂 代々木上原店、飯田橋サクラテラス店、上野広小路店、五反田東口店、横浜西口店
提供期間:12月1日(土)~~12月28日(金)
試食会に訪れた、VIRON社アレクサンドル・ヴィロン社長は次のようにコメントしました。
「西川さんが日本でおいしいバゲットを作るにはどうしたらよいか、と尋ねてこられたのをきっかけに、何度も日本にも訪れるようになり、日本食の多様化、フランス料理との違いを知りました。パリでも日本食のお店が増えてきて、ラーメン店もありますね。今回、VIRON社の小麦粉を使って麺を作る、ということで、我々では考えられないような発想が次々に出てきて驚いています。このチャレンジ精神は、我々フランス人にとってもたいへん興味深いです。期待しております」(アレクサンドル・ヴィロン社長)
日仏の友好を表現した、4者4様のラーメン。期間限定、数量限定ではありますが、試してみていただければ、と思います!
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