横浜ウォッチャー

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高級陶磁器メーカー「大倉陶園」100周年を記念する特別展示販売会が横浜タカシマヤで開催

大倉陶園 創業100周年展-良きが上にも良きものを-」が2018年3月21日~26日まで横浜タカシマヤ 8階ギャラリーで開催。大倉陶園の100年間におよぶ歴史の中で培った伝統技法で創り出された、100周年記念の新作が展示販売されます。

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▲2019年5月に創業100周年を迎える「大倉陶園」の陶磁器は、国内外の賓客をもてなし、また人々の日々の暮らしの中で高い評価を得ながら今日に至ります

 

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▲展示作品の一例。「百花譜(ひゃっかふ)」……日本の季節を演出する100種類の花々を描いたディナーセット

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▲展示作品の一例。日本の桜6人揃ケーキセット


大倉陶園は、横浜市戸塚区に工場を持つ、日本を代表する高級陶磁器メーカー。1919(大正8)年、「良きが上にも良きものを」と世界最高級の陶磁器を作ることを志し、大倉孫兵衛・和親父子が東京都大田区蒲田に創業しました。

 

1927(昭和2)年、アメリカ独立150 周年記念万国博覧会で、食器揃が最高大賞を受賞。その美しさ、丈夫さ、軽さ、白さが評判となり駐米日本大使館や箱根富士屋ホテルへ食器揃を納入。1935(昭和10)年には、満州国皇帝愛新覚羅溥儀、中国最後の王朝・清の“ラストエンペラー”の歓待用ディナーセットを、奈良ホテルへ納入。往時をしのばせるその器は、現在も同ホテルに残っています。

 

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▲日本国迎賓館御用洋食器(1974年)


また、1943(昭和18)年の照宮内親王殿下ご婚礼御用食器を納入して以降、皇室の方々にもたびたび食器などをお納めしています。第二次世界大戦中には空襲で工場が全焼しましたが、終戦の翌年には復興に着手。横浜市戸塚区に工場を移転したのは、1960(昭和35)年のことです。

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北海道洞爺湖サミット晩餐会用食器(2008年)

 

その後も、日本国迎賓館(赤坂離宮)御用洋食器大揃<デザインから製品完成までに3年間を費やし、合計4820 ピースを納品>や政府専用機機内用食器を納めました。2008年の北海道洞爺湖サミット、2016年の伊勢志摩サミットでも大倉陶園の食器が使われ、日本最高級の陶磁器として国内外の賓客をもてなし、また、人々の日々の暮らしの中で高い評価を得ながら今日に至ります。

2019年5月に創業100周年を迎え、次の100年の道を歩み始める大倉陶園。「大倉陶園 創業100周年展-良きが上にも良きものを-」は横浜タカシマヤからスタートし、2020 年までの3年間、全国各地で巡回開催を予定しています。美術鑑賞のように楽しめる、最高級の白磁の数々が集まる機会をお見逃しなく。

 

 

f:id:travelyokohama:20180318213410j:plain▲成形後、まだ柔らかさの残る素地に、金属製のローラーを手指でゆっくりとすべらせながら模様を刻む技法「エンボス」で作られた器。今では大倉陶園のほかにほとんど使われていない貴重な技能だそう。碗皿暦「桃の節句」100周年記念展限定品1客10万8千円(エンボス上絵手描き金彩)

 

 

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▲1928(昭和3)年から現在まで続けられている、大倉陶園の独自技法「岡染め」は、酸化コバルトを主体とする絵具を使用し、釉薬をかけて本焼き、その後に絵付けをし、それを再び1460度で焼くと、絵具が釉薬の中に溶け込んで、独特の柔らかさをもった「ぼかしの美」が生まれます。ランプスタンド「ブルーローズ」100周年記念展限定品1点37万8千円。カガミクリスタルとのコラボレーション(岡染め手描きの作品)

 

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釉薬の層をわずかに削ることで模様を作る技法「エッチング」は、削った部分に金彩を施すことで模様を浮かび上がらせ、華やかさとシックさをもつ雰囲気が生まれます。大正12 年(1923 年)ごろから用いてきた技法。碗皿暦「波に兎」(9月)100周年記念展限定品1客7万5600円(岡染め金蝕金白金彩)

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▲国家技能検定1級を取得し、美術の専門知識と高い技術を持った専任ペインターが、手描きで陶磁器用顔料を使って上絵をつけます。鳥や花、木、風景などをモチーフに、手描きの秀作をこれまでに多数作り出してきました。「プリンセスフラワー」カップ&ソーサー(6客。絵替り)100周年記念展限定品56万7千円(漆蒔き上絵手描き)



大倉陶園 創業100周年展-良きが上にも良きものを-
期間:2018 年3月21日(水・祝)~3月26日(月) 10:00~20:00(最終日は18:00閉場)
場所:横浜タカシマヤ 8階ギャラリー
※3月21 日(水・祝)、24 日(土)は大倉陶園ペインター中嶋祐紀氏による絵付実演、
3月25 日(日)は大倉陶園営業部長柳原正剛氏によるトークショーが開催。

 

www.takashimaya.co.jp

www.okuratouen.co.jp