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ヨコハマトリエンナーレ2014:展覧会タイトル発表

2014年開催の「ヨコハマトリエンナーレ2014」(主会場:横浜美術館、新港ピア)。2012年12月にアーティスティック・ディレクターに美術家・森村泰昌氏(写真)が就任し、2013年5月に行われた記者発表会で会期と展覧会タイトルが発表となりました。

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会期は、2014 年8月1日(金)~11月3日(月・祝)(開場89日間、休場6日間※第1・3木曜日)。展覧会タイトルは、ヨコハマトリエンナーレ2014「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」。森村氏による趣旨概要は次の通り。

 

・「芸術のドレスダウンと芸術のドレスアップ」を図る。ドレスダウンとは、敷居を下げて多くの方、特に若い方や子どもたちにも見てもらいたいという意味。だが、お子様ランチを提供するのではなく、子どもたちにも(もちろん大人にも)本格的な味のフルコースを食べていただく。高いテーブルに座ってもらうために、子ども用のイスを用意するというイメージ。私自身が子ども向けガイドブックを執筆することも検討している。芸術は遊びではなく、命をかけてやっていることを伝えたい。すばらしいものは理解されると信じている。

 

華氏451の芸術とは、レイ・ブラッドベリSF小説華氏451度』(1953年作)に由来。華氏451度(≒摂氏233度)は、紙が自然発火する温度といわれている。いわゆる焚書がテーマの小説で、「本なんているの?」という近未来の世界が描かれている。21世紀を予言した内容であり、「忘却」の意味を考えさせられる。

 

・人類は多くの記憶を忘れ去ってきた。記憶とは、大きな忘却の海に浮かぶ、ちっぽけな島にすぎない。死者も忘却の一部だと考えれば、天文学的な数の死者の中で、ほんの一部の人が生きている。

 

・インターネットは検索すれば何でも出てくるイメージだが、「検索されない芸術家」がいると知った。また3.11以降、あえて沈黙し、行動しない人もいる。そんな無数の「記憶されざる者」、そういう意味での「忘却」に目を向け、わかち合う展覧会としたい。芸術という舟に乗って、小説とはちがう冒険の旅へ漕ぎ出す。

 

・展覧会では、十章のテーマを設ける予定。そのテーマに作家がリンクしていき、作品と作品がコンセプトを組んで進んでいくようなイメージで進めたい。

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来夏のヨコトリへの期待が高まる記者会見でした!

 

URL:http://www.yokohamatriennale.jp/

 

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