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キリンビール会社創立110周年! かつて本社は横浜に!? 2017年事業方針合同発表会

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▲2016年はキリンビール横浜工場限定醸造一番搾り 横浜づくり」が大ヒット! 2017年は4月25日、5月23日に発売予定

2016年1月25日、横浜・神奈川に拠点を置くキリングループ各社の2017年の事業方針合同説明会が開催されました。各社の代表による、2016年の振り返りと2017年の事業方針を伺ってまいりました。

キリンビール創業地 横浜&神奈川の新しい発表に注目

 キリンビール株式会社首都圏統括本部の臼田執行役員統括本部長は、冒頭のあいさつで「2017年はキリンビール株式会社が会社創立110周年を迎える年。横浜はキリンビール創業地であり、日本のビール産業発祥の地でもあります。実は、キリンビールが1907年に創業した時は工場だけで、販売は明治屋さんに委託しておりました。それから20年後、1927年に自販を開始したのですが、その時に全国に本店・支店を設置いたしました。本店として登録されていたのが横浜。もともとは横浜が本社だったというわけです。

 

現在、キリンビール横浜工場、キリンビバレッジ湘南工場、そしてメルシャン藤沢工場と、グループ各社の最重要拠点が横浜・神奈川に集結しています。最重要拠点というのは、何か新しいことをはじめる拠点でもあります。今年も各社の新しい発表にご注目ください」と述べました。

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▲横浜・神奈川に拠点を置くキリングループ各社の2017年の事業方針合同説明会に登壇された方々

一番搾り 横浜づくり」がビール売り上げのけん引役に

次に、キリンビール横浜支社の藤本支社長が登壇。「2016年の横浜支社のビール類販売実績は、前年比マイナスでした。が、『一番搾り 横浜づくり』がけん引役となり、ビール単体ではプラス1.1%、一番搾りブランドだけではプラス2.8%となりました。

 

2017年は、ビールカテゴリの魅力化、発泡酒・新ジャンルカテゴリーの復権を柱に、お客さまに驚きと感動を提供できるような【Quality with Surprise】というメッセージを込めて、ブランド育成や企業活動を行い、お客さまの共感や支持を獲得してまいりたいと思います。『一番搾り』『クラフトビール』を中心に、さらに魅力あるビールカテゴリにすることで、多様なニーズに応えてまいります

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キリンビール横浜支社 藤本支社長

 

今年の『一番搾り 横浜づくり 横浜工場限定醸造』は、4月25日、5月23日に発売を予定しており、すでに予約受注活動を始めております。横浜づくりで浜風を感じながら、開放的で新たな発見ができる「コト体験」を充実させるためのイベントや施策を検討中です。

横浜発祥のキリンビール創立110周年記念として『横浜づくりに乾杯! 船便で行く! 横浜工場見学ツアーご招待キャンペーン』を2月10日から実施します。ハガキまたはインターネットのいずれかでクイズにお答えいただき、合計で55組110名さまをご招待いたします。昨年、海上ルートでお越しいただける桟橋が完成いたしましたので、海上ルートで横浜工場へ来ていただき、出来立ての横浜づくりとランチ、もしくはディナーを楽しんでいただくという内容になっております。横浜づくり発売開始の4月25日と翌26日、3回に分けてご招待いたします。

クラフトビールをブームで終わらせない新提案「タップ・マルシェ」

クラフトビールの新しい楽しみ方として、『タップ・マルシェ』を提案いたします。タップ・マルシェは取り扱いが簡単な小型多品種ディスペンサーで、3リットルの小型ペットボトル容器を設置します。8種類のクラフトビールから4種類を選んでいただき、設置することができます。首都圏(1都3県)の飲食店1000店での取り扱いを目指します。

 

タップ・マルシェの提案は、クラフトビールをブームで終わらせることなく、カテゴリとして拡大、確立していくために、より多くの方にクラフトビールを体験してもらう場を提供しようというものです。

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▲「タップ・マルシェ」は取り扱いが簡単な小型多品種ディスペンサー。3リットルの容器を4種類設置可能

 

「のどごし<生>」ブランドで発泡酒ジャンルの復権

発泡酒のカテゴリでは『のどごし<生>』を日常を明るく元気にする、頑張る人を応援するブランドとして、お客さまに共感いただける商品となるよう、コミュニケーションを展開します。4月18日に麦100%の『キリン のどごし スペシャルタイム』を新発売し、新たな価値を提案、発泡酒ジャンルの復権をめざします」

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▲2017年は「のどごし<生>」で新ジャンル復権をめざす

 

生麦移転90周年の節目を終え「点」から「面」へ

続いて、キリンビール横浜工場の勝間田工場長が登壇。「2016年は横浜工場が山手から生麦に移転、操業開始から90周年ということで、いろいろなことをいたしました。広報施設(=工場見学施設)の25年ぶりのリニューアルをはじめ、キリン桟橋の建設、臨海部の東芝さま、森永さまとコラボした工場見学イベントの開催、そして京急さまにご協力いただいたビール電車の走行など。地域の皆さまに“感謝”の気持ちをお伝えする1年となりました。

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キリンビール横浜工場 勝間田工場長

 

2017年は工場見学という「点」ではなく、敷地全体を通じた「面」として機能するよう、取り組んでいきたいと考えております。昨年10月に新しくなった工場見学を核として、レストラン(ビアポート、スプリングバレーブルワリー横浜)、ビールづくり体験教室、ノミモノ・ラボ(展示施設)、ビオトープを含む緑地等、工場全体の魅力向上を図ってまいります。また、キリン桟橋を使っていただく海上交通の活性化、SAGES(社会環境貢献緑地評価システム)の認証や緑の都市賞(国土交通大臣賞)などをいただいた緑化の取り組みも引き続きすすめてまいります。また、先端エネルギー実証実験への参加として水素フォークリフトの導入も7月ごろに予定しております」

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▲緑がいっぱいのキリンビール横浜工場のエントランス

 

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注力ブランドは「生茶」「午後の紅茶」「ファイア」

キリンビバレッジの岩﨑首都圏第二支社長が登壇。「2016年は『生茶』のリニューアルが大成功し、年初目標の1.5倍となる2620万ケースを販売いたしました。そして、30周年を迎えた『午後の紅茶』が大台の5000万ケース出荷を達成することができました。『ファイア』は10月のリニューアル以降、いい流れになってきました。また、収益率の高い缶小型ペットボトルが好調でした。これは安売りだけでなく、全員が収益を意識しながら活動できた成果であったと思います。

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▲キリンビバレッジ 岩﨑首都圏第二支社長

 

2017年の市場環境につきましては、特に健康への意識が高まっていると。減塩、カロリーゼロとか。また、単身世帯や高齢者などの少人数世帯の増加で「小容量」「こだわり」といった商品にチャンスがあるのではないかと考えております。方針といたしましては、昨年に引き続き、「利益ある成長」の実現に取り組んでまいります。

 

注力ブランドですが、『生茶』『午後の紅茶』『ファイア』の3つになります。そして“健康”を軸としたブランドにもチャレンジします。『Mets』『世界のKitchenから』は現状維持ですすめます。

 

自動販売機につきましては、2015年7月に専門会社を立ち上げまして、以降、自動販売機専用商品を販売しております。4月以降、LINE社とコラボし、LINEでポイントが貯まるという、自販機ならではのサービスを展開予定です。

 

販売目標ですが、市場は前年比並みではないかと予想されております。弊社としては、30万箱増の予定で取り組んでまいります。

 

湘南工場につきましては、工場見学1周年記念、夏休み自由研究特別ツアー、午後の紅茶30周年記念イベント等の開催などのイベントを開催し、工場見学開始以来、初めて年間来場者2万人を突破いたしました。2017年は目標を1万8千人とし、大人向け特別ツアーなどの開催、午後の紅茶グッズの販売を予定しております」と、2016年の振り返りと2017年の取り組みについて発表されました。

 

キリンビバレッジの注力ブランドの具体的な計画は次の通り。

自動販売機用(430ml)、手売り用(300ml)のペットボトルもグリーンボトルを展開

味についてはブラッシュアップしていく

「あけてびっくり生茶箱キャンペーン」を展開(3月~4月)

生茶を実際に体験できる「生茶 Factry Cafe(仮称)」オープン(時期未定)

カフェインゼロ商品をリニューアル「生茶デカフェ」発売(5月)

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▲リニューアルが大成功をおさめた「生茶

 

基盤4アイテム(ミルクティーストレートティー、レモンティー、おいしい無糖)を軸に、新商品を提案

「おいしい無糖」リニューアル(4月4日)

これまでにない新商品を次々と発売予定

「紅茶体験ショップ」の出店

デジタルコンテンツを活用した「紅茶の楽しみ方」の提案

季節ごとに紅茶の良さを伝える広告メッセージを発信

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▲神奈川県などとコラボした、ご当地限定デザインボトルを2017年も引き続き展開予定

 

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▲「グリコ ポッキー」とのコラボシリーズ第3弾商品は2月21日から新発売。甘酸っぱいいちごの風味が特長の「午後の紅茶 いちごティー」とバニラ風味豊かなチョコレートをまとった「ポッキー<クリーミーバニラ>」が合わさると、まるでショートケーキのような味わいに!

 

  • ファイア

10月のリニューアル販売以降、好調に推移

「エクストリームブレンド」「挽きたて微糖」をメインアイテムとして育成

100万本サンプリング第2弾を実施

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▲昨年10月にリニューアルした「ファイア」。2月11、12日にクイーンズスクエア横浜 クイーンズパークにて、100万本サンプリング第2弾「ファイア エクストリームブレンド(写真右)」を実施。オープニングイベント(2月11日 10:30受付開始、11:00スタート)には、元 プロ野球選手 高木 豊氏が来場予定

 

  • サプリシリーズ

健康分野へのチャレンジとして「サプリシリーズ」を展開

第一弾「サプリ レモン」2月14日新発売

順次ラインナップ追加予定
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▲サプリシリーズ第一弾「サプリ レモン」は2月14日新発売。一時的なストレス軽減、日常生活等の疲労感軽減が期待できる「テアニン」と「クエン酸」の効果に着目した商品

ワイン市場は数少ない成長市場、幅広いニーズに応えたい

最後に、メルシャンの高谷執行役員藤沢工場長がワイン市場の動向や藤沢工場の今後の展開について発表。「ワイン市場は右肩上がりで、数少ない成長市場です。2016年は『山梨・勝沼でつくっている日本ワイン、シャトーメルシャンをフラッグシップブランドとして成長させる』『注力ブランド(カッシェロ・デル・ディアブロ、おいしい無添加)をしっかり売っていく』『若い方に向けてすそ野を拡げる商品(ギュギュっと搾ったサングリア)をしっかり売っていく』といった活動をいたしました。その結果、ワイン市場自体は横ばいだったのですが、当社としてはワイン合計で前年比プラス1%703万箱を出荷することができました。

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▲メルシャン 高谷執行役員藤沢工場長

 

2017年も引き続き、市場全体の持続的な拡大をめざし、お客さまのニーズに合ったワインを提案してまいります。日本ワイン『シャトー・メルシャン』、中価格帯のチリワイン『カッシェロ・デル・ディアブロ』、お手頃な『おいしい無添加』、また、メルシャンならではの輸入ワインの新ブランドも立ち上げたいと考えております。ワインのある生活をより浸透していくために、さまざまな飲用シーンを充実させていきます。

 

2016年は藤沢工場を少量多品種に対応する製造ラインに更新しましたが、今年も引き続き、約10億円かけて製造ラインの更新、再編成、製造棟を増築します。お客さまの多様なニーズにお応えできる製造体制を整えます。

 

また、工場がある藤沢市とともに『日本一のワインの街』を合言葉に、藤沢の活性化やワインの魅力拡大に取り組みました。藤沢ワイン祭り2016や藤沢マイスターである滝沢英明による出張ワインセミナーなどを開催いたしました。今年ももっと『キュンとするまち。藤沢』に取り組んでまいります」

 

メルシャンの注力ブランドの具体的な計画は次の通り。

 

  • 日本ワイン『シャトー・メルシャン』

「日本ワインの発祥」を訴求

山梨・勝沼に民間の会社として1877年に立ちあがり140年を迎えることをPR

3年後、4年後にいいワインが作れるよう、甲州などに新規ブドウ園を開拓

 

2015年比2倍の13.5万箱出荷をめざし、中価格帯ブランドとして育成

 

手に取っていただけるようなパッケージデザインに変更

味わい向上(赤、ふくよか赤、白、ジューシー赤、ロゼ)

  • ボン・ルージュ

人気の有機ワインをお手頃な価格で提供するため、有機ブドウ100%使用「オーガニック」を新販売(3月7日より)

  • ギュギュっと搾ったサングリア

若い方にワインのすそ野を拡げる商品として開発

女性が開発に貢献した商品として「神奈川なでしこブランド2017」に認定されたことをPR

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▲アルコール度数は高めながら、フルーティーでリッチな果実感が女性に人気。スパークリングタイプは昨年11月に登場

 

  • 新ブランド「ワールド・セレクション」

四天王のひとり(←高谷工場長談)、大滝製造部部長 兼 技術課課長を中心としたメンバーが、メルシャンならではの視点で世界のワインをセレクト

2月14日からチリ産赤ワイン、オーストラリア産白ワインを販売開始

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▲新ブランドワイン「ワールドセレクション」

 

横浜生まれのキリンビール、神奈川県内に工場があるキリンビバレッジ、メルシャン。地元の企業が元気がよいと、地域全体も活性化しますね! 2017年の展開に期待します!

 

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